妊娠・出産を機に準備するべき保険について考えてみましょう。

妊娠・出産に対する将来や万が一への備えも決して疎かにはできません。妊娠や出産は、ご夫婦で子供の将来について思いを巡らせる良いタイミングです。そのときに、ご夫婦に万が一のことがあった場合の保険であったり、お二人の老後の生活資金に備える保険であったり、子供の学費を積み立てるための保険であったり、そうした子供を含めた家族の将来に向けた備えを総合的に検討してみても良いかもしれません。
先ずは、一般的に妊娠や出産に際して準備が必要になる保険について見ていきましょう。
①教育資金を備えるための学資保険
子育てにかかる費用として、その大部分を占めると言われているのが教育資金です。
文部科学省の「平成28年 子供の学習費調査」を見てみると、子供が幼稚園から高校までにかかる教育費用は、約540万円~1,770万円という結果が出ています。
これだけの負担を何の準備もなしに乗り切れるご家庭は稀ではないでしょうか?
そこで教育資金の準備方法の一つとして有効なのが学資保険です。
学資保険は、教育資金の必要となるタイミングで必要な金額を受け取るようにするための保険。基本的には、特に教育資金が必要となる高校卒業時や大学入学時の18歳前後に満期を設定し、受け取った満期保険金を教育資金に充てるイメージになります。学資保険のメリットは、支払った保険料の総額よりも受け取る保険金の総額の方が大きくなる場合もあることです。また、原則的に学資保険では、保険料の総額に対する保険金の総額の割合を「返戻率」と呼びますが、返戻率は長く加入すればするほど高くなる傾向にあります。そういった意味で、妊娠・出産といった早いタイミングで検討してみても良いかもしれません。定額の学資保険に加え、学資保険代わりに貯蓄型の保険として低解約型終身保険・外貨建保険・変額保険等も人気があります。
②万が一に備えるための死亡保険
死亡保険は、家計の中心をになう世帯主に万が一のことがあった場合、残された家族の生活を守るためにお金が受け取れる保険です。
遺族年金などを受け取れる場合もあるので、すべてを生命保険でカバーする必要はありませんが、世帯主に何かがあった場合の一つの備えとして死亡保険は有効です。
現在の生命保険には様々な種類があります。一定期間だけを保障する定期型(定期保険、収入保障保険)や、一生涯を通じて保障する終身型。特約や解約返戻金の有無によっても内容は変わってきます。その中から自分にあった生命保険を選ぶという事は、「自分の人生ではどのタイミングでどのくらいお金がかかるのか」を改めて見つめ直すことにも繋がります。
家族にとって子供の誕生は一つの節目ですから、家計の将来設計も含めて生命保険を検討する丁度いい機会かもしれません。
③入院や手術に備えるための医療保険
日本では公的医療保険制度が充実しているので、たとえ入院や手術をしても大きな負担はかからないように思えるかもしれません。ですが、注意したいのは入院や手術をすると、食費や部屋代の一部、交通費、日用品費といった諸費用は公的医療保険制度の適用外となり、自己負担することになります。
妊娠・出産を機に、ご夫婦だけでなく子供用も含めて医療保険を検討される方も多いようです。
④老後資金を備えるための年金保険
年金保険は公的年金だけではカバーしきれない老後の生活資金を自助努力で準備する方法の一つです。老後への備えは「老後に子供たちに負担をかけないようにする」ということでもありますから、妊娠・出産を機に考えるべき保険の一つと言えそうです。
老後の備えに関しては、保険を活用する方法もありますが、IdecoやNISAを活用した資産形成もありますので、今後お伝えしていきます。